ホンダのスーパーカブが累計生産台数1億台を記録したそうだ。ホンダのバナーから拝借。おめでたいお話だし、ホンダさん、カブへのリスペクトからエントリーしてるので、どうか多めに見て欲しい。
59年前の初代でこの形。完成され尽くしているというか、モダンさすら感じる。今世の中で生きている人でこれを見たことがないという人はいないだろう。もはや存在時代がリスペクト。カブが街角から消えるというのは想像できない。他のものが消えるというのは想像できる。例えば、プリウスが消えるとしたら。クラウンが消えるとしたら。ああ、歴史の1ページが閉じられるのだな、くらいで済んでしまう。これらはその存在が人から離れすぎていて、愛嬌がないからなのではないか。もう少し人に寄り添うデザインができたら、世の中の人々の車への関心も高まると思うのだけど。あ、これはスズキがハスラーやラパンでやって大成功しているよね。
脱線。話をカブに戻して。
ツーリング先でもカブは本当によく見かける。よく見るのはキャンプツーリングの最中であろう若い人。無茶な走り方はせず、左車線の端っこキープで実に行儀よく、そして実に楽しそうに走っている。人の気持ちをカブが超えないから、こんな走り方ができるのだろう。こういう体験をしないままにあの世に行くのはちょっと残念だ。メカとしても興味がある。遠心自動クラッチとかロータリーシフトとかも体験したい。よく街中でエンジン回転合わせられなくて「ブイーーーーン!」とかエンジンが悲鳴をあげているのを見るが、ちゃんとアクセル煽って回転合わせしてスマートに乗りこなしてみたい。
それと、使い込んだ感を味わってみたい。多くのバイクは新車の時が一番格好良く見えて、あとは劣化してくだけ。SR400とかWシリーズとか、グラストラッカーとか、いい感じのレトロ、あるいはネオレトロは別だけど。
カブは使い込まれて、でもちゃんとメンテされてるよ、くらいの感じのを見るとぞくっとするくらい美しいのだ。リヤサスの取り付けボルトや荷台がうっすら曇ってる、あるいは少しサビが浮いているくらいでも全然みすぼらしくならない。Zippoのライター的な使い込まれた美しさを感じるのだ。
足腰が丈夫なうちに、そして社会環境が脱化石燃料が進まないうちにと考えると、この数年で乗っておかないとならないな。リトルカブのいい色が出たら買おう。ホンダさん、カブの未来のユーザーも楽しませてくださいね。