2017年11月5日日曜日

デザインは誰のものか

グッドデザインアワード2017を見てきた。

制度的なところも背景を知っているので、例えば国内大手家電メーカーやらジェネリック家電メーカーのマーケティング的な色合い、それに格付け効果を狙っての不動産業界、設計士の思惑がチラチラ透けて見えた。このチラチラをカットするためのフィルターを通して心の目で見てきたけど、やはり「問題解決型」のデザインでないと心に響いてこない。

問題解決型のデザインはシンプルだ。なぜなら、問題として表出した現象に対してのアプローチではなくて原因に対するアプローチだから。
この原因も色々あるけど、人に関わる問題でいうなら身体性と認知への対応=格好良くいえばヒューマンインタフェースを軽視している、あるいは認識していないということがあげられるだろう。この観点からの発明品には面白いものが多かったですね。

上段で「人に関わる問題で」と書いたけど、これも今回のグッドデザインアワードで一覧したからわかったことを強調したかったから。人と人、人と環境についてのデザインはあったけど、人以外の生き物(植物含む)に対してのデザインがないということに気づいた。厳密にいえば植物に対してのデザインはあったけど、これも人間のポジションからのアプローチで、植物オリエンテッドなデザインではなかった。素晴らしい発明だったけどね。
犬のためのデザインとかスズメのためのデザインとかがあったら面白いと思うのだ。このデザインが人が少し我慢を強いられるものであったらもっといいだろう。人の視点を広げるために敢えて人に少し不便にする。これで人間が世界との関わりを見つめ直すことになるんじゃないかと思うのだ。

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